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【インタビュー】有限会社ファイナンシャルリサーチ 深野康彦様

2019年5月8日、独立系FPの草分け的存在である、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんに単独インタビューをさせていただきました。

私もFPの資格を持っていますが、深野さんのキャリアに到底及びません。深野さんは、日本にファイナンシャルプランナーができた1980年代から第一線でご活躍されていらしゃいます。

講演先や金融機関が開催するFP勉強会でお会いすることがあり、そのご縁でインタビューを引き受けていただきました。

今回は積立投資をこれから始める人向けに、「人生100年時代に向けて、なぜ積立投資が有効なのか?」「投資が怖いというハードルをどうクリアするか?」「初心者は、どんな投資信託を買うべきか?」など、貴重なお話を頂きましたた。

ぜひこれをきっかけに、つみたてNISAを活用した資産形成を始めてみてくださいね!

今回インタビューさせて頂いた方

有限会社ファイナンシャルリサーチ
代表 深野 康彦 様
最新MOOKに「10万円ではじめる!人生100年時代の資産運用」、代表著書に「55歳からはじめる 長い人生後半戦のお金の習慣」「めちゃくちゃわかるよ! 超株入門」「なぜかお金に困らない人 40の習慣」など。
詳しいプロフィールは(日経CNBCでのインタビューをご覧ください)

Contents

国が手厚い保障をできなくなり、物価も値上がりしている

今日はお忙しところ、お時間とっていただき、ありがとうございます。インタビューコーナーでは、販売会社などメーカーの方々にご協力いただいてましたので、FPの方への取材は深野さんが初めてなんです。メディアやご講演で「つみたてNISA」について数多くの情報を発信されていらっしゃいますが、本日は独占インタビューということでよろしくお願いします!

こちらこそ、よろしくお願いします。

改めてなんですが、「将来に向けて資産形成をしたほうがいい」とか「これからの老後は不安定」ということがすごく言われているのですが、なぜ私たちが資産形成をすべきについて、深野さんからアドバイスをいただきたいのですが。

まず、老後が不安というのはその通りなのですが、年金が老後生活のベースという状況は、おそらく変わらないと思います。つまり「年金制度は破綻しない」ということですね。

私は年金の国家資格である社会保険労務士でもありますが、同感です。「年金保険料は払っていても、将来もらえないから損だ」と煽るメディアが多いので、年金不安を訴えてくる方が増加しています。深野さんのように「年金制度は破綻しない」と断言していただくのはとても心強いです。

ただ、受け取る額は残念ながら、少なくなると考えています。

すると老後に豊かな生活を過ごすには、やはり私たちが自助努力で資産を増やす必要があります

平成が終わって令和という時代が始まりましたが、平成の時代は高金利で始まりました(平成元年=1989年)。その後、1990年から平成末の2019年まで、金利ってだだ下がりなんです。この影響はとても大きく、たぶん今後も金利はなかなか上がらないでしょう。

時系列で振り返ると、日本がいかに金利が下がり、前と同じ環境ではいられないということを痛感させられます。平成30年間を振り返ると、日本の経済は真っ逆さまですね。

残念ですけど。以前は銀行金利が1%以上というときもありましたが、今は0.01%しかありません。少し上がったとしても、金利だけで資産形成というのは難しいです

もう1つ考えないといけないのは、「国や会社が、今までのように手厚い社会保障を出せなくなってきた」ということです。

はい、社会保障制度は悪くなっても良くなることはないですからね。

その通り。こうしたことを考えると、少しでも豊かな生活を送るには、何らかの資産形成は必要だと思います。

ただ、今の時点で資産形成を始められている人は、なかなかいません。そのため国は、iDeCoやつみたてNISAという制度を作りました。要するに「非課税(税金がかからない)」というメリットを与えて、国民に「貯蓄から投資」を促したわけです。

このこれからの資産形成は自助努力が必要」という流れは、逆らえないと思います。

iDeCoとつみたてNISAに関しては「本当に良い制度なの?」「まだ資産形成なんて、始めなくていいんじゃない?」と思うより、基本は「素直に流れに乗るほうがいい」というのが、まずポイントです。

私もそう思います。お得な制度はドンドン使っていった方がいいのに、「投資」と聞くと、一歩身構えてしまう人もまだまだ多いは残念だと思っています。

もうひとつ、「物価が上がっている」というのもポイントです。

国はアベノミクスという政策を2012年の12月から始めて、デフレの脱却を目標にしました。金融緩和といいます。

国は2%の物価上昇を目標にしていて、これはなかなか達成できないのですが、2018年の1年間で1%近く物価が上がっています。この状況の中で預金だけをしていると、実質的に資産が減っていることになります。

子どもの頃の1万円は、10年後も同じ1万円ではないのですね。子どもの頃はジュースが100円で買えましたが、今は120円払わないと買えない。「物価が上がると、買えるものが少なくなる」ということが、緩やかに起こっています。

これは気づきにくいのですが、やっぱり認識しないとダメです。

インフレですよね。先日小学生の教材ポスターに「インフレって何?」というのを見つけました。今となっては、小学生でも知っておくべき、ベーシックな経済用語なのに、大人は全く意識していないんですよね。

さらに平成の最後に何が出できたかというと、「人生100年時代」という言葉です。「多くの人が100歳まで生きる可能性が十分ある」ということですが、「100歳まで生きたときのために、少し準備しなきゃいけない」ということです。

確かにそうですね。人生90年から、そういえば、あっと間の10年延びてしまいましたね。それが平成最後に彗星のごとく現れ、令和時代では当たり前のように「人生100年時代」とか言われていますからね。

このように今の世の中を考えると資産形成という言葉は、これから大きなキーワードになってくると思います。

なぜこう言えるかというと、資産形成というのは実は誰でもできるんです。学歴や資格は必要なく、少し飛び降りる勇気さえあれば、誰でも口座を開いて明日から始められます。「誰もが豊かになれる1つの方法」という意味で、資産形成を考えていく必要がありますよね。

確かに。金融って難しそうな響きですが、学歴や資格はいらないですね!いや~、私が勉強になります(笑)

「人生100年時代」は両親とは違う時代。自分たちでどうするか考える必要がある

深野康彦様5

私はお金に関する身近な先生は「自分の両親」だと思っています。ただ、自分の両親の時代は、まだ金利が高かった時代です。今、老後が不安、老後の対策と言われていますが、残念ながら先例がありません。つまり私たち自身が、「人生100年時代を、これからどうするか?」を作っていかないといけません

はい、今までのやり方ではダメで、自ら考えて行動していかなければならないということですね。

「日本人は真似をするのは得意」とよく言われますよね。逆に言うと「新たなものを作るのは苦手」ということですが、今後はこれを考えないと駄目なんです。もちろん先人の知恵を学ぶのは大切ですが、やはり「今の時代に合ったお金の使い方」を考えないといけない。

そして資産形成を始めるなら、年齢が高くなってからスタートするより、若いときから始めたほうが理解力も早く、失敗をしたとしてもやり直しがききます。

今は資産形成を始めるには、とても良い時期です。iDeCoやつみたてNISAなど、いろんな制度ができ、さらに投資信託はどこでも買えます。つみたてNISAは特にハードルが低いので、これから始めるのにピッタリです。誰もが資産運用を始めやすくなっていて、今は「とてもいい状況」ともいえます

積立投資での資産形成は、誰でも十分成功できる

日本人が真似をするのが得意というのは、その通りだと思います。つみたてNISAやiDeCoを使った資産形成も、日本人だと成功しやすいでしょうか?

「成功します」と言い切るのは難しいですが、誰でも十分できると思います。

日本人というと国内の株式や日経平均やTOPIXなどの指数を思い浮かべるかもしれませんが、日本で資産を構築する必要はないんです。投資信託ならアメリカの株をすぐに買えますし、ヨーロッパや中国の株も買えます。

つみたてNISAの制度が作られたときに行われた有識者会議の議事録を見てみると、「資産運用のポイントは、グローバルに資産を投資することで、世界経済の成長を享受する」とうたわれています。

日本があまり成長しなかったとしても、世界に資金を投じることで、我々はそのリターンを日本に居ながら享受できます。

人によっては「もう成長しなくていいんじゃない?」と考えることもありますが、私は「人に欲がある限り、経済成長はなくならない」と思っています。成長する限り株価は上がっていくので、長期・国際・分散投資を上手くしていけば、資産形成というのは誰もができます

確かにおっしゃる通りですね。ただ、つみたてNISAなどの制度を使っていざ「資産形成を始めてみよう」となったとき、やはり経験がないと、なかなか一歩踏み出しづらいと思うのですが、いかがでしょうか。たとえば今35歳で年収が500万ほどの場合、何が一番始めやすいでしょうか。

おっしゃる通りですね。やったことがないと、なかなか始められないと思います。そういう方は、まず「定期預金」ですね。

えーーー、定期預金ですか。為替に強い深野さんからは想像つかないアドバイスです。

投資に抵抗があるなら、まずは「定期預金」から始めるのもひとつの方法

FP深野康彦様3

「資産形成=投資」と考える方は多いのですが、定期預金も資産形成のひとつです。

会社からもらうお給料は、まず「普通預金」に入ります。私は「普通預金より金利的に有利なところへお金を預ける」という行動から、資産運用は始まると思うんですね。

確かに。

普通預金は出し入れ自由で便利ですが、金利的には一番低いです。私は、その低い金利に我慢できないので、少しでも有利な定期預金に預けます。今は定期預金でもあまりお金は増えませんが。

ただ、こうした行動をとることで、初めて「運用」をすることができます。

私は、必ず現金は持つべきだと思っています。現預金をしっかり持っているからこそ、投資に踏み出せる。現預金は「長期で投資をするための保険」という面があるんですね。病気や子供の学費など、何か急にお金が必要なことが起こっても、投資に回しているお金を解約する必要がなくなるじゃないですか。

現預金が保険の役割がある、というのは納得です。

長期投資をするためにも、まずは現預金を作ることが大切で、そのためには定期預金が有効です。

最近は、「退職代行」というサービスが人気のようですよね。今は自己都合で会社を辞めると、失業給付が約4カ月もらえません。つまり4カ月の現預金がないと生活に困るので、会社に辞表も叩き付けられませんよね。

なるほど。定期預金も、資産運用ですもんね。定期預金で最低4ヶ月分くらいの現金を残しておき、その上で投資に進むと良いのですね。

定期預金もネット定期だと、普通預金の20倍くらい金利があったりしますね。ただ、それも限界があるわけです。

そうですね。預金だとどうしても、増えるスピードは遅いですよね。

ここから加速するなら、やはり個別株や投資信託を買うことですよね。「リスクの小さい債券を買おう」という発想もありますが、大きく増やすには限界があります。

低金利の状況では、「何をやっても変わらないから何もしない」という人が増えます。高齢者の方はタンスにお金を入れっぱなしで、「タンス預金」と言いますよね。ですが何もしなくてもいいのは本当は金利が高いときで、低いときは「どうお金を増やそうか」を考える必要があるんです

金利が高いときは固定金利で預け入れ期間が長ければ、誰でもハッピーになれます。低金利の状況では万人に共通の正解がないので、一人ひとりに創意工夫が必要です。つまり「工夫をすれば、その差が収益という形で表れる」というのが大切ですよね。

お金を貯めだけなら定期預金でいいかもしれませんが、豊かな生活をしたいなら、定期預金から次のステップ、つまり投資へ進む必要があるということですね。

まずは「興味のあるもの」から、投資を始める

深野康彦様4

どんな投資を始めるかですが、私は何に投資してもいいと思っています。興味があれば、それでいいんですよ。

日本株や日経平均に連動する投資信託やETFなどいろいろありますが、「好きこそものの上手なれ」だと思います。

すごくシンプルで、明確なアドバイスですね。初心者の人に「この商品は、、、」と提案したとしても、聞きなれてない用語に疲れて、「結局や~めた」となってしまうこともありますからね。興味がある分野から始めてみるというのは目からウロコの発想です。

やはり、自分が興味のあるものは長続きする。最終的には分散投資をしていただきたいですが、初心者には分散投資という言葉から難しい。だから最初は興味あるものから始めて、だんだんと長期分散投資にシフトしてもらいたいと思っています。

「こうしなさい!」と言われるとやりたくなくなりますが、「好きにやってみて!」と言われると「そぉ~、やってみようかしら」と思うのと一緒ですね。

日本人は真面目なので、「分散投資がいいなら、最初からそれをしっかりやらなきゃ」という方が多いです。ただ、個人的に投資は「習うより慣れろ」だと思っているので、まずはかづなさんもおっしゃるように、「第一歩をどう始めるか?」ということが大切です。

私はFPをしていて、基本的には、お客さまが興味のあるものを勧めます。もし「興味のあるものがわからない」ということなら、日本にいると情報を得やすい日本株がいいですよとお勧めしています。それ以外の方は興味があるなら、いきなり中国株を買おうが、東南アジアの株で運用しようが、それでいいと思います。

確かに投資は難しく考えすぎて始められない方が多いので、興味のあるものから始めるのが良いかもしれませんね。

おっしゃる通りです。

私の考えはFPとしては、ちょっと邪道かもしれません(笑)普通の人はそんなこと言わないでしょう。

「興味があるなら、最初から中国株を買ってもいいよ」と勧めたら、「本気で言ってるの?」と言われるかもしれません。ですが、生活に支障が出ないなら、ある程度は買ってみても良いと思います。

やはりどんなに本を読もうが、どんな人の話を聞こうが、やってみたことから学ぶことはとても大きいですよね。中国株を買うときにどんなリスクを感じたのか、「思ったより株価が動いて怖かったから、そこは反省して、もうちょっと保守的に運用しよう」とか、「たまたま上手くいったから、もう少しいってみよう」とか、いろんなことが学べるはずです。

一歩踏み出すことがとても大切で、そのためには興味がわくものから、ということですね。

おっしゃる通り、実践から得られる気付きはとても大きいですよね。

自分のお金を投資すると、そこから学べることはとても多い

深野康彦様7

もっと言うと、「自分のお金」でないと意味がないですよね。

今はFXなど、バーチャルで投資を実際に体験できるじゃないですか。ただ、やはりああいうのは、いくらやっても絶対にバーチャルなんです。

言い方は悪いですが、てめえの金をかけたら、真剣になるじゃないですか。自分の身銭を切るということが大事だと思います。

私の知り合いもFXのバーチャルトレードですごく利益が出て、「これはいける!」と思ったら、実際のトレードでは自分のお金がどんどん減ってしまって儲からなかったみたいです。

やっぱり、バーチャルと実際は違うということですね。

私は投資をする人に、「ギャンブルする人を見習いなさい」って言うんですよ。投資はギャンブルと似たところがあると思うんですね。

たとえば競馬は毎週末ありますが、週末のレース前に準備がありますよね。月曜日は週末のレースについて発表があって、水・木は調教があって、金曜か土曜に枠順が発表されてとか。

競馬をする人はレース当日までにいろんなステップを踏んで、研究しますよね。なぜそこまでやるかと言うと、要は自分の身銭がかかっているからでしょう。自分のお金がかかれば、みんな真剣になるんですよ。

パチンコやる人だって、朝早くから店に並ぶじゃないですか。絶対いつもは朝早く起きないですよね(笑)

投資や資産形成というと難しいイメージからか、あまり真剣に研究しない人が多いです。ギャンブルをする人の姿勢やモチベーションは、投資をする人も見習わないといけないですよね。

確かにすごい情熱をもって研究している方もいますもんね。普通の人はこうしたモチベーションを投資に対してもつために、何か情報収集とかするべきなんでしょうか?

いや、難しい情報収集は別にしなくていいと思います。

もちろん個別株を買うのか、資信託を買うのかくらいは情報を調べて考える必要はあります。ただ、個別株なら相応の情報収集をしないといけませんが、投資信託は「運用会社にお任せ」というのができます。

確かにすごい情熱をもって研究している方もいますもんね。普通の人はこうしたモチベーションを投資に対してもつために、何か情報収集とかするべきなんでしょうか?

我々のようなFPなら、例えば「この2日間で大きく株価が下がってしまったから、その背景を探って、お客さまに売らせない」のようなときのために情報収集は必要です。ですが一般の人がそこまでする必要は、別にないですよね。毎日のように相場や運用成績を見る必要はなくて、決算など節目だけ見ればいいと思います

世界のプロの投資家の情報を個人投資家がタイムリーに得ることは到底ムリですからね。

今、アメリカでは「資産形成で成功するには、ポートフォリオ(資産の配分)をどう組むかで7〜8割決まる」と言われています。ただ、自分だけで上手くポートフォリオを組むのは難しいので、「良いアドバイザーをもつこと」が成功のポイントと言われています。

一般の方の場合、投資信託を買えば運用会社がアドバイザーの代わりになりますし、我々のようなFPを頼るのも良いと思います。なので、情報を取る必要はあまりありません。コストを払うことで情報収集は人に任せて、自分は好きなことをすればいいです。アドバイザーを使うというのは、「時間を買う」ということですよね。

では先ほど「ポートフォリオをどう組むか」というお話もありましたが、「この年代にこういうポートフォリオがいい」というのは特にないのですか?

そうですね。基本的には今までお伝えした通りで、積立投資をするなら、実績のある投資信託でも十分だと思っています。ただ、期待リターン、期待収益率で考えなら、やはり世界に目を向けるべきですよね。

日本にも素晴らしい企業はありますが、低成長に甘んじているところは多いです。また、初心者が成長企業を見つけるのは難しいですよね。投資信託を活用すればこうした企業に投資できるかもしれませんが、それを考えるなら海外の企業に投資するほうが良いです。海外のほうが経済成長率は高いので、リターンも高くなりやすいですよね。

単純に考えれば、私たちは日本に対して投資しているんですよ。時間などの「人的資本」という形で。景気が良ければお給料が増えますし、景気が悪くなれば逆というように、ある意味では株式投資と同じですよね。

資産運用は分散投資の考え方なら、別に日本を入れなくてもいいわけですね。

確かに。ではやはり長期保有して国際分散で投資するのが、資産形成の王道なんですね。

そうです。時代が変わっても、複雑に考える必要はないということですよ。

実際のリターンを、リアルに考えてみることも大切

もう一度話が戻るのですが、私のお客様でも、なかなか投資に踏み出せない方がたくさんいらっしゃるんですね。定期預金でお金を貯めて、興味のあるところから投資を始めるというのでも、やっぱり「最初に投資を始めるのが怖い」と感じる方がいらっしゃいます。

この辺りをどう解決すればいいか、私も悩んでまして、、、

じゃあ例えばですが、JT(日本たばこ)っていう企業ありますよね?

日本たばこは世界で五指に入るような規模のタバコ企業なんですね。規模から考えると、これからも潰れることはないでしょう。

ただ、JTが急に大きく成長するなんて、今の時代はたばこなんかはないですよね。ところが今、日本たばこは100株買うのに25万ほどです。そして100株持っていると、配当金が年間、1万5,400円出るんです(2019年6月現在)。利回りに直すと約6%。

単純に考えると、もしJTが潰れず、今のまま配当金を出し続けるなら、17〜18年で投資元本が配当だけで回収できるんです。どう思いますか?

ちょっと考えますね。

でしょう? つまりJTがずっと配当金を安定して出し続けるなら、20年経つと1万5,400円×20年で30万8,000円になります。税金は考えていませんが。すると株の購入代金が25万円なので、一応20年で5万8,000円儲かるんですよ。どうですか?

うん、買うほうが得ですよね。

こういうのもあるんですね。つまり投資というのは、必ずしも高いときに売らなくてもいいわけです。長期で持つことで元本を回収できるというのが、理論上は計算できるんですよ。もしJTが配当を減らしたら、保有期間を長くすればいいだけの話です。

つまり若いうちのほうが有利で、長い時間をかけて保有すれば元本回収率は高くなるんです。配当金が高い会社の株を買うとですが。一歩踏み出せない方には、私はこんなふうにアドバイスしますね。

日本人は農耕民族です。だから、長期的に資産を保有する我慢はできるはずなんです。

保険だと、平気で20年や30年加入する人は多いです。でも投資になると、我慢できない人が多い。ですが今は企業の利益還元がすごく増えているので、やろうと思えばそういうことができるんです。

リタイヤするときにJT株を1000株(投資金額で約250万円)買うと、毎年、税金かからないから15万円の配当金が来るんですよ。すると、2人でちょっとした旅行くらいは行けますよね。まさに「タマゴを産むニワトリ」を持っているような感じです。もしJT株を4,000株買えれば、配当は月60万円。かなり良いですよね。

そして、ニワトリをずっと持っておくということですね。

そうそう。もしかしたら、ニワトリがもう少し肥えて、たまごが大きくなるかもしれないですよね。小さくなることもありますが、別のニワトリを持てばいいですよね。

確かに、かなり初心者の方でも興味をもつような気がします。なかなかそんな話、今はないですよね。

全然ないですね。私の知り合いも、買っている人いますね。そしてゴルフのプレー料金にしたりとか(笑)

要は、配当金を使うつもりなら、株価は下がってしまってもいいのです。「毎年配当金もらって20年くらい経ったら、実は元の購入代金を上回っていた」ということもあります。こういう計算ができるなら、持っておけばいいですよね。

たしかに30代の方なら、時間は味方にできるから、やらないと逆に損ですね。

そうなんです。35歳でこのことに気づくのと、55歳くらいで気づくのとでは、大きな差になりますよね

どうしても投資というと、「なくなる」「増える」という考えになりやすいですが、資産を持っていること自体がお金を増やすことにつながるのですね。

はい。あと、多くの人が投資を始められない原因として、「情報はネガティブなほうが伝わりやすい」ということがあります。投資でお金を増やせるといっても、「危ない、怖い」という不安のほうを強く感じているのかもしれないですね。

私はメディアなどに出るので、「裏でお得な話を教えてもらっているんじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、私もFPをされていない一般の方も、得る情報はあまり変わりません。要は「たくさんある情報を、取捨選択できるかどうか」ですよね。

特にネットの情報はバイアス(偏見)がかかっていることも多く、中にはネガティブな情報もあります。そして自分が好むことを検索しますよね。だから自動的にバイアスがかかって、他の意見を聞かなくなってしまうんですね。

だから、意識的にいろんな情報を得る癖をつけないとだめですよね。

「年金制度はこれからの少子高齢化時代、絶対ダメになる」という話、ありますよね。高齢者を支える若い人が減れば、確かに年金制度は危なくなる。ただ、若い人の給料がその分増えたら、今と変わらないかもしれない。

やはり自分で情報を取捨選択することが大切で、もし自分だけで判断できないなら客観的に情報を判断できる誰かを見つける必要があるのですね。深野さんとか(笑)

そうですね(笑)私はお客さまに合わせていろいろなメニューを提案するので、最終的に投資を選ばない方もいらっしゃいます。私でなくてもいいのですが、「道が間違ってないか」とか「投資を始めるなら、これでいいのか」など、第三者の意見としてFPを活用してほしいですね。

このお話をきっかけに、つみたてNISAや投資を始められる方が増えればいいなと思います。本日は本当に貴重なお時間とお話、ありがとうございました!

つみたてNISAを始めるためにオススメの証券会社

当サイトオススメの証券会社は次の2つ!
実は街中の銀行などは、つみたてNISAの商品があまり充実していません。この理由は「販売することで、銀行の得られる利益が少ないため」です。
つみたてNISAの商品ラインナップが充実しているのは、圧倒的に「ネット証券」。その中でも次に紹介する2つは、約160本あるつみたてNISA対象商品を7~9割カバーしています。参考にして、証券会社を決めてくださいね。

1位:ポイントでつみたてNISAもできる!「楽天証券」

取扱い商品数 179本
積立金額 最低:100円
最高:33,333円
積立頻度 積立方法:毎日・毎月
金額調整:毎月・ボーナス設定・増額の設定
引落し方法 銀行口座・証券口座・楽天カード
ポイント付与 あり。年間約4,000ポイント
→毎月の積立33,333円を楽天カードで行った場合。楽天カードで積み立てた場合のみ、ポイントが「月額積立額×1%」付与される。

楽天証券は商品数のラインナップは業界ナンバーワンで、全商品のうち約90%をカバー。SBI証券と取り扱い数は同数です。
また、楽天証券は「楽天ユーザーに使いやすい」という点がメリット。楽天アカウントで統一でき、口座開設もカンタン。さらに毎月の積立で、楽天ポイントも貯まります!また、2018年9月30日よりポイントを使って投信積立ができるように、2018年10月28日より、投信の積立で楽天カードで決済が可能となり、ポイントを貯められるようになりました。資産形成をしつつ、楽天でおトクに買い物ができますよ。楽天カードを使っている人にはもちろんのこと、今後使っていきたい!という方にもオススメです。
また、つみたてNISAについて相談したい場合、楽天証券は「つみたてNISA専用ダイヤル」を利用できます(無料)。

2位:国内株式個人取引シェアNo.1!細かな設定もできる「SBI証券」

取扱い商品数 176本
積立金額 最低:100円
最高:33,333円
積立頻度 積立方法:毎日・毎週・毎月
金額調整:毎月・ボーナス設定・NISA枠ぎりぎり注文
引落し方法 銀行口座・証券口座
ポイント付与 あり。年間108ポイント
→毎月の積立額が33,333円で0.05%付与のファンドを購入した1年目の場合

SBI証券はつみたてNISAの商品数のラインナップは業界ナンバーワンで、全商品のうち約90%をカバー。楽天証券と取り扱い数は同数です。
また、積立方法を「毎日」「毎週」「毎月」と細かく設定できるほか、ネット証券にもかかわらず「実店舗」があります。気になることがあればスタッフに直接相談できます。
業界ではSBI証券・楽天証券・マネックス証券を合わせて「3大ネット証券」と呼びますが、SBI証券はこの中でも口座開設者数がトップで、初心者にもオススメです!

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