
つみたてNISAを始めるには、非課税かつ専用口座である「つみたてNISA口座」の開設をする必要があります。また、その金融機関で「証券総合口座」を開設していない場合、合わせて開設する必要があります。
つみたてNISA口座は「日本在住で20歳以上」の条件を満たしていれば開設できますが、1人につき1つの金融機関でしか作ることができません。金融機関は1年ごとに変更できますが、いちいち変えるのは手間がかかります。そのため金融機関の特徴を知り、「あなたに合った金融機関」を選ぶことが大切なのです。
マネックス証券は、つみたてNISAで資産形成をするためにオススメの証券会社です。つみたてNISA対象の商品ほとんど取り扱っており、自分に最適なファンド(投資信託のこと)を選びやすいです。
また、マネックス証券は米国株の取扱い銘柄が多くコストも安いため、つみたてNISAをきっかけに「成長する世界経済に投資したい」と考える場合にピッタリです!
ここではマネックス証券の特徴やメリット・デメリットについて解説します。また、口座開設の流れも合わせて紹介しているため、参考にしてくださいね!
Contents
マネックス証券の特徴
マネックス証券は口座開設数が180万口座と、SBI証券、楽天証券に次ぐ業界第3位のシェアを誇ります。また、「国内取引より海外取引を好む個人投資家に人気」という特徴があります。
マネックス証券は1998年、上場間際のゴールドマン・サックス証券に所属していた松本大氏がソニーの当時の社長であった出井伸之氏と会食し、オンライン金融会社設立の構想を提案したところから始まりました。
そして1999年にソニーと共同出資でマネックス証券が設立され、株式売買委託手数料が完全自由化される流れで、現SBI証券と共にネット取引が開始となったのです。
つまりマネックス証券は、「手数料引き下げ競争」の幕開けに貢献した会社の1つなのです。
マネックス証券と他のネット証券との大きな違いは、「日本だけでなく米国と香港にも、子会社のネット証券があること」です。そして「充実した投資情報」や「積極的なセミナー開催」が特徴です。
マネックス証券で特に注目すべきポイントを、3つ紹介します。
業界最低水準の手数料+購入時手数料の1.5%・1.875%・4.5%をポイントバック
マネックス証券では、金融商品の購入で「マネックスポイント」というポイントが貯まります。マネックス証券で投資信託を購入する場合、購入時手数料のポイントバックがあります。
ポイント還元率は購入方法で3段階に分かれており、通常の場合が1.5%、セゾンカードが1.875%、マネックスセゾンカードが4.5%です。ポイント還元率は一般的に1%ほどの場合が多いため、これはかなり高い数字です。マネックスポイントは手数料の支払いに充てたり、ANAやJALのマイレージポイントと交換できたりします。
ただしつみたてNISA対象の投資信託を購入する場合、ポイントバックの対象外となっています。今後つみたてNISAとは別に投信を購入する場合には、こうしたメリットがあると理解しておいてください。
また、マネックス証券では「投資信託を積み立てた場合、購入時手数料が実質ゼロ(ノーロードといいます)になるサービス」があります。取扱本数は1,000本超で、購入時手数料がかからない投信も多いですが、そうでない投信を購入する場合でも、積立による買い付けであれば実質ノーロードになるのです。
豊富な商品ラインナップ
マネックス証券はつみたてNISA対象商品以外にも、「米国株」や「中国株」の商品が豊富で、合わせて5,000銘柄超を取り扱っています。
世界最大の株式市場である米国個別株のうち、マネックス証券が扱っているのは約3,000銘柄超です。SBI証券は1,21銘柄、楽天証券は約1,132銘柄のため、マネックス証券は2倍強の商品ラインナップになっています 。そのため今後、世界経済に投資を考える場合、マネックス証券はとても有利です。
役立つ投資情報サービスが充実
証券総合取引口座を持っている場合、無料で「MONEX VISION β(マネックス ビジョン ベータ)」というソフトが使えます。ただし、つみたてNISA口座は対応していません。
MONEX VISION βでは、あなたのポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)を可視化することができます。利用は無料で、保有資産の推移を毎日・毎月・毎年単位のグラフやチャートでチェックできます。
また、マネックス証券では「AIレポート」というものも公開しています。AIレポートはAI(人工知能)が分析した4地域(米国・欧州・日本・新興国)と3資産(株式・債券・REIT)における今後1カ月の見通しを、3段階(◎・〇・△)でチェックできることができるものです。
これまで機関投資家向けシステムや投信運用などに活用していたAIを、マネックス証券は個人向けに開放してくれています。「今後1カ月における世界動向の天気予報マップ」は、難しい経済動向を身近な天気予報に例えてくれて、初心者向けには心強い情報です。
マネックス証券・つみたてNISA口座のメリット
ここまで、マネックス証券の全体的な特徴を紹介してきました。つみたてNISAについても、マネックス証券は大きく分けて3つのメリットがあります。
つみたてNISA対象商品のラインナップが豊富
マネックス証券はつみたてNISA対象商品201本のうち、145本をカバーしています。そのため、ほとんど全ての商品から選ぶことができます。
予算に合わせて、100円から積み立てできる
マネックス証券は、100円から積み立てをすることができます。つみたてNISAは年間40万円が上限ですが、これ以下の金額を設定しても問題ありません。
気をつけてほしいことは、「毎月100円を積み立てたとしても、大きな利益を得ることはできない」ということです。100円から始めるのはあくまでも「きっかけ」であり、毎月の投資金額を少しずつ増やしましょう。
ボーナス設定ができる
マネックス証券では「ボーナス月」を設定することができ、「毎月の買付額」と「変更したい月」を、2回まで設定することができます。
例えば年度の途中から積み立てを始めた場合、過ぎ去ってしまった月の積立に関しては、ボーナス月の設定で調整することができます。これにより、つみたてNISAの年間40万円という枠を使いきりやすくなります。
マネックス証券・つみたてNISA口座のデメリット
マネックス証券は人気の証券会社であるSBI証券や楽天証券と比べて、取扱い商品の豊富さでは劣りません。ただ、サービスの充実度では、デメリットがあります。以下の5つについて、気をつけてください。
1つ目のデメリットは、「毎月の自動引き落とし口座が、マネックスの証券口座のみ」である点です。つまり会社の給料が振り込まれている銀行口座からの引き落としには対応していないため、積み立て金額をマネックス証券口座に送金する手間がかかります。
2つ目は上で紹介したように、「ポイントバックの対象外」であることです。マネックス証券で投資信託を購入すると、通常はマネックスポイントが貯まります。しかしつみたてNISA対象のファンド(投資信託のこと)を購入しても、マネックスポイントを得ることはできません。
3つ目として、前述した「MONEX VISION β(マネックス ビジョン ベータ)」は対象外となっています。
さらに4つ目として、店舗窓口やFA(ファイナンシャルアドバイザー)など、投資について相談できるところはありません。
SBI証券は店舗で、楽天証券はつみたてNISA専用のコールセンターで疑問を解決することができます。これに対してマネックス証券はこうしたサポートがないため、ある程度の投資知識や商品知識を得ておく必要があります。
最後にマネックス証券では、つみたてNISA口座開設によるキャッシュバックなどのキャンペーンはありません。
紹介したデメリットはいずれも、投資結果に大きく影響を与えるものではありません。ただ、つみたてNISAのみに取り組みたい初心者にとってマネックス証券は、少しハードルが高いかもしれません。
マネックス証券でつみたてNISA口座を開設する流れ
マネックス証券でつみたてNISA口座を開設する場合、だいたい3~4週間ほどかかります。
ある程度長い期間がかかるのは、つみたてNISA口座は1人1つしか開設できず、申し込むと「税務署が重複口座がないかをチェックする作業」が入るためです。
また、マネックス証券では最初に「証券総合取引口座」を開設し、その後に「つみたてNISA口座」を作る必要があります。そのため申し込み手順が少し長く、6ステップに分かれます。
STEP2:口座開設書類に、必要項目を記入して返送する。
STEP3:郵送で「証券総合取引口座開設完了のお知らせ」が届く。
STEP4:「つみたてNISA口座の開設申込書」に必要事項を記入して返送。
STEP5:つみたてNISA口座が開設されるまで1〜2週間ほど待つ。
STEP6:「つみたてNISA口座開設完了」の連絡が届く。
STEP1から、順番に説明します。
STEP1:マネックス証券の公式サイトから「口座開設書類」を申し込む
まずはマネックス証券の公式サイトで以下の手順に沿って、「口座開設書類」を請求しましょう。
マネックス証券のTOPページで、「NISA」コーナーを押します。すると、「NISA・つみたてNISA」のページに飛びます。
今回は初めて証券口座を開設する場合として、「証券総合取引口座の開設はこちら」のボタンを押します。すると「かんたん口座開設」の画面になります。
流れに沿って、必要項目を入力してください。
内容を確認すると、口座開設の申し込みは完了です。
「口座開設書類」は、最短で翌日に送られてきます。
STEP2:口座開設書類に、必要項目を記入して返送する
書面で送られてきた「口座開設書類」に、必要事項を記入して返送します。
郵送で「証券総合取引口座開設完了のお知らせ」が届く
口座開設書類を返送すると、「証券総合取引口座開設完了のお知らせ」が郵送されてきます。ログイン後、「NISA・つみたてNISA開設申込」をクリックしてください。すべての入力を完了して送信すると、「つみたてNISA」の開設に必要な書類が送られてきます。
ここでの図は、マネックス証券の証券総合取引口座のみを開設した状態でないと表示されないので割愛します。
これでまず、「証券総合取引口座」の開設を終えたことになります。
さらにここから、つみたてNISA口座の開設手続きを行います。
STEP4:「つみたてNISA口座の開設申込書」に必要事項を記入して返送。
書面で送られてきた「つみたてNISA口座の開設申込書」に、必要事項を記入して返送します。
STEP5:つみたてNISA口座が開設されるまで1〜2週間ほど待つ。
マネックス証券から税務署へ「つみたてNISA口座」開設の申請をしてくれます。税務署の確認に、1~2週間ほどかかります。
STEP6:「つみたてNISA口座開設完了」の連絡が届く。
税務署での口座確認が完了すると、つみたてNISA口座の開設が完了します。そして、「つみたてNISA口座開設完了」の連絡がきます。
SBI証券や楽天証券では、証券総合口座とつみたてNISA口座を同時に開設することができます。マネックスはこれらを2段階に分けて作る必要があるため、多少の時間がかかる点に注意してください。
マネックス証券のつみたてNISA口座は、以上のように開設できます。完了したら、つみたてNISAでの資産形成を始めましょう!
まとめ
マネックス証券はつみたてNISA対象商品201本のうち、145本を取り扱っています。そのため幅広い商品の中から、あなたにピッタリの商品を見つけることができます。
マネックス証券はつみたてNISA対象商品のラインナップは充実しているものの、SBI証券や楽天証券に比べると、サービス面でデメリットが多いです。例えば証券口座とつみたてNISA口座の同時開設ができなかったり、キャンペーンやポイント、情報ツールが対象外だったりと、初心者にはハードルが高めの面があります。
ただ、今後つみたてNISAだけでなく、株式購入などで海外へ投資したい場合、マネックス証券はオススメできます。よく考えて、つみたてNISA口座を開設する証券会社を選んでくださいね!