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【インタビュー】WealthNavi(ウェルスナビ)牛山史朗様・吉江雅史様

2019年5月13日、ロボアドバイザーで急成長されているWealthNavi(ウェルスナビ)の牛山史朗様、吉江雅史様にインタビューさせていただきました。

ロボアドバイザーとは、人間に代わってAI(人工知能)が資産運用のアドバイスをしてくれるものです。

現在、WealthNavi(ウェルスナビ)で積立投資をしても、つみたてNISAの制度は適用となっていません。しかし、私自身がウェルスナビCEO柴山和久氏の著書を読みもっとこのお金との付き合い方を深く伺ってみたい!と思い、インタビューをお願いさせていただきました。以下、感銘を受けた一部を抜粋してご紹介させていただきます。

海外の機関投資家や富裕層にとってスタンダードな資産運用は「長期・積立・分散」。一般人には難しいその方法も、ロボアドバイザーを使えば、損を怖がる人間の脳に邪魔をされることなく、世界中の金融商品から最適なものを選び、誰もが実践できるようになる。

柴山和久著書「これからの投資の思考法」(ダイヤモンド社)より

今回は新しい投資スタイルを普及させているお2人に「なぜ積立投資を始めるべき?」「ロボアドバイザーって、どんなサービスなの?」「ロボアドバイザーを、どう活用するといいの?」など、話題のロボ投資の秘密をひもとくお話をたくさん聞かせていただきました。ぜひ、これからの資産形成の参考にしてくださいね。

今回インタビューさせて頂いたお二人

ウェルスナビ株式会社
執行役員
リサーチ&クオンツグループ
牛山史朗 様

ウェルスナビ株式会社
シニア・クオンツ・リサーチャー
吉江雅史 様

Contents

親世代と今の若い世代では、資産形成の仕方が大きく違う

今年の2月に行われたFP勉強会に参加させていただいたときに、牛山さんがWealthNavi(ウェルスナビ)のサービスを使った、実際の投資成績結果をスマホで見せていただいたのが衝撃的でした。是非、このサイトでも積立投資の威力を発信していきたいと思い、再度伺わせていただきました。

勉強会から3カ月程しか経っていませんが、AIなどを利用した金融サービスの形が世界中に広がっていて、御社のサービスの存在感がますます増している気がします。

今日は改めて積立投資の基本的な考え方から、ウェルスナビの特徴や、ウェルスナビを使ってどう資産形成をすればいいのかなどをお伺いできればと思っていますので、よろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。

まず、御社では「働く人の資産形成」というコンセプトを掲げられていますが、「なぜ働く世代や若い人が資産形成をするべきなのか」ということについて、教えていただけますでしょうか。

そうですね、今まで私たちの親世代なら年金や退職金が充実していたので、あまりお金のことを気にする必要はなかったんです。「頑張って働けば、老後は国や会社が面倒みます」と。

おそらく国にとっても、この形が社会全体にとって効率的だったのだと思います。

ただ、今はもう時代がすっかり変わってしまい、政府も「自助努力で資産形成してください」というふうになってきています。つまり資産形成を、本当に自分でする必要が出てきています。

ただ、資産形成というと、これまでは貯蓄を考えるのが一般的だったのですが、今は低金利で増えていかない。するともう、「今までの親世代とは違うこと」を考えないといけないわけです。

銀行の定期預金は0.01%ですから、これでは金利とはいえませんよね。

親世代だと退職金をもらって、そこから運用スタート。定年がお金について考え始めるタイミングだったのですが、若い方は働いているうちから考え始めないといけないといけません。

ただ、資産形成が今までも必要なかったかというと、おそらく給与天引きの財形貯蓄みたいな、「貯蓄が一番いいですよ」という話はあったと思います。この基本は変えず、お給料が出たらその一部をすぐに将来のために取っておくと。そしてそれを増やすためのドライバーとして、今までの貯蓄ではなく資産運用を考えましょう、という流れなのかなと思います。

資産運用のやり方が変わったということですね。

あと、必要に迫られて資産形成をするというのもありますが、やっぱり老後も、豊かな暮らしをしたいですよね。そのためには、「運用しないともったいない」というのもあります。また、資産運用や投資で世の中にお金が回れば、世の中全体が良くなっていくという、ある意味で社会貢献に近い意味もあります。

投資は「みんなでハッピーになる仕組みですよ」というふうに理解いただければ、非常にいいんじゃないかと思います。

長期・積立・分散は、世界でスタンダードの手堅い投資方法

やはり自分で資産形成をすることがとても大切だと思うのですが、御社が「長期・積立・分散」をおすすめされているのは、どういった理由からなのですか?

私たちはずっと金融の世界でやってきていますが、プロの世界では年金基金と呼ばれる、100兆円規模の運用をしている人がいるんですね。

特に年金は安定的に増やしていかなくてはいけない資産で、こうした現場で長期的に、かつ安定して資金を増やすために常識として行われているのが、「長期・積立・分散」です。「世界中に分散投資をして、それを長期的に育てていきましょう」という考え方です。

年金は最もなくなってはいけないお金ですから、資産運用の方法としてはとても参考になりますよね。

はい、「長期・積立・分散」は世界ですごくスタンダードになっていて、王道とも言える手堅い方法です。

特に、働く世代は収入が上がったら、積み立てに回せるお金が増えますので、将来のための大事なお金は手堅い方法で運用するのがベストだと思います。

確かに「長期・積立・分散」は初心者の方にもわかりやすくて、「長くいろんな銘柄を保有しておけば、安定した資産運用ができるよ」ということですよね。

WealthNavi(ウェルスナビ)のサービスもこの考えがベースになっていらっしゃるのですか?

はい、そうです。

カンタンな質問に答えるだけで、リスク許容度をベースにしたベストなポートフォリオを決められる

WealthNavi(ウェルスナビ)を使うにあたり、6個の簡単な質問に答えることから始まりますよね。これから投資を始める人にとってはとてもシンプルで分かりやすいと思うのですが、リスク許容度は投資をするのにあたり重要なポイントになるのでしょうか?

無料診断の結果例。リスク許容度は1~5の5段階で、一番低いのが1、高いのが5。上記診断結果は、「リスク許容度4/5」。

効率よくお金を増やす方法って、実はもうほぼ理論が固まっています。ただ、人によって「どれくらいリスクを取れるか」が違い、それによって返ってくるリターンも変わってきます。

「ハイリスク・ハイリターン」という原則のような言葉がありますが、やはり「リターンを大きく得たいなら、リスクを取らないといけない」という関係があります。

「リスクをどのくらい取ればベスト」というのはないので、たとえば20代の若い方なら今後まだまだ収入が入ってくるので、多少リスクを取りながら大きく増やすことを考えてもいいですよね。

逆に退職が近い方はもうすぐお金が出ていくので、リスクを抑えましょうという形が良いですよね。

取れるリスクさえ決めれば一番効率的なポートフォリオ(資産の配分)が決まるので、最初にリスク許容度を診断させていただいて、その方にとってベストなポートフォリオをご提供しましょうという考えになっています。

質問に答えて「あなたのタイプはこれです」と出てくる提案は、本当にひとりひとりの個人で違うのではなく、たとえば20とか100などのパターンがあって、そのどれかに当てはめているような感じなのですか?

いいえ、私たちは5パターン、リスク許容度1、2、3、4、5と、5つに分類させていただいています。

私たちは「こういう性格の方だから、こういう運用がおすすめ」という細分化は、そこまでメリットがないと思っています。
冒頭にもお話したリスク許容度をチェックすれば、どれくらいのリターンがベストかというのが決まります。その「どれくらいリスクを取りますか」というところが、これまでの研究の蓄積だと思っています。
若い人ほどリスクを取りやすいですし、収入が多いほどリスクを許容できる、のようなところにこれまでの蓄積があるので、それに照らしてサービスを構築していますね。

そうなんですね。実は裏側ではもっと複雑なのかな、なんて思ってました。5パターンくらいで十分なのですね。初心者にとってもわかりやすくて、とても良いと思います。

今までのサービスは「お金を増やしたい」という方向けに、リターンばかりを強調していました。ですが働く世代の方や初心者の方にとって重要なのは、「リターンとリスクのバランス」です。

リターンを追求するとどうしてもリスクが一緒に増えてしまうので、そこのバランスを考える必要があります。

かなり投資される方の気持ちに寄り添ったサービスですよね。

人によって性格は違って、石橋を叩いて渡りたい方もいれば、リスクを取ってでも大きく投資したい方もいます。きちんとリスクとリターンの両方を見て資産形成をしましょうとなっているのが、初心者さんにとっては安心だと思いました。ポチポチっと質問に答えれば簡単にポートフォリオが出るのは、すごいわかりやすいですよね。

ありがとうございます。

個人の方に、手堅く資産運用できるサービスを提供したい

ただこのサービス、開発でかなり大変なこともあったと思うのですが、いかがでしょうか。

そうですね、やはり難しかったところはあります。

既存の金融機関なら、これまでの蓄積がありますよね。私たちはベンチャー企業として4年ほど前に設立して、そこで本当にゼロから作り上げてきました。

我々は「普通の個人の方に必要な資産運用サービスは、どんなものだろう?」という部分を、本当にゼロベースで考えて作ってきました。何かを真似して作るより、もう一段難しかった印象がありますね。

当時はゼロから開発していて、当時は真夜中まで死にそうになりながら働いてましたね(笑)
ただ本当に「世の中のため」といいますか、働いているお客さまにとってベストなサービスを作るというのが、僕はものすごく心地よくて。みんなで必死に、前向きにやってきました。

柴山社長の理念を、みなさんが共有して、そこに突き進んでいったということですね。牛山さまは、設立当初からいらっしゃったのですか?

そうですね。2015年12月に入ったんですが、2016年に実際のサービスを開始するということになり、私のような金融工学を専門とする人間が必要でした。なのでサービスの設計など、私が一から関わり、アルゴリズムも私が全て作ったような感じです。
まだ会社が運用会社や証券会社としてのライセンスが取れてないタイミングで入社して、「資産運用サービスって何なのか?」というところを一から考えてやってきましたね。

牛山さまは野村證券さんから転職されたそうですが、最大手からある意味で真逆の環境に移られたということですよね。

少し失礼かもしれないのですが、どうなるかわからないベンチャー企業の立ち上げに関わろうと思われたのはなぜなのでしょうか?

私は野村證券で8年くらいやってきましたが、周りの人間はすごくレベルが高いですし、ものすごく面白い仕事もできたんですね。ロンドンなど海外の人たちと議論しながら商品を作るような仕事は、クオンツとしてすごい経験を積めたし、やっていて楽しかったです。収入もそれなりにあったので、すごく恵まれた環境ではあったと思います。

ただ、「実際に自分の作った商品が、世の中にどれくらいのインパクトを与えているのだろう」と考えてみると、もう少し他の道もあるのかなと。

ちょうどその頃が2015年で、FinTech(フィンテック)という言葉が少しずつ流行り始めたタイミングなんですね。コンピューターサイエンス(情報技術)が金融にも入ってきたときで、野村證券にいたときの問題意識を含めて考えると、すごく興味がわきました。

そのときにちょうど柴山が「ウェルスナビという会社を作った」と。私はもともと柴山と面識がまったくなかったんですが、ウェルスナビという会社を見て、目指すところがものすごく真っ当というか、「個人の方にこういうサービスが必要だな」ということを直感的に感じました。

エリート街道まっしぐらという牛山さんが、ビビっときてその地位を手放されたというのは衝撃的です!

本当、よく飛び込んだなと今でも思いますが、「挑戦する価値はある」という感じでしたね。「もし失敗しても、またどこか拾ってくれるだろう」くらいは一応考えた上で転職したのですが、自分が人生を賭けて挑戦する価値のあるビジネスだなと思っていました。

牛山さんの熱い想いも、WealthNavi(ウェルスナビ)というサービスの誕生秘話の1つなんですね。

ロボアドバイザーは理論に基づいて、手堅く投資ができるように設計

この前、がんの名医の先生のお話を聞きに行ったんですが、「胃がんの検査は何センチ以内だったら医師よりAIのほうが早く見つけるかが議論になっている」というようなことをおっしゃってたんですね。

確かにAIの診断は、人間と比べると瞬時で行うため効率的ですが、こうした性能のAIを作るには、医師が夜中に既存の莫大なるデータを入れながら、AIの診断は「合っている、合っていない」というのを全部検証する必要があるそうなんです。

投資の世界でも、AIと人の投資結果をデータを用いて検証したりしていくんでしょうか?

医療だと「その人が病気か病気じゃないか」という正解がわかりやすいんです。画像を見れば「ここにポリープがある」のような感じでわかり、はっきりしています。これはAIが得意な部分ですよね。
ただ、投資の世界は法則がどんどん変わっていくんですよね。

たとえば「来月株価が下がります」と、ものすごく高性能なAIが予測するとしますよね。すると投資家はそれを聞いてどうするかというと、「来月株価が下がるのか。じゃあ株価が高い、今のうちに売っておこう」と思いますよね。

そうですね。

みんなが株を売ると、どんどん株価が下がっていきます。すると、AIの予測では来月下がるはずの株価が、今日下がってしまうことになります。AIの予測を見て投資家が行動を変えるので、ゲームのルールが変わってしまう。なので、AIが仮に正しく予測できたとしても、法則が変わってしまうことで予測が当たらなくなります。

つまり過去の実績は全然関係ないというか、使えないのですね。

そうですね。なので投資の裏技みたいなものは、AIを使っても見つけられません。ですので、我々のサービス(WealthNavi)は金融工学の理論に基づいて、手堅く投資ができるように設計されています。理論に基づいて手堅く投資するのがベストだと思っています。

WealthNavi(ウェルスナビ)は金融工学の理論が軸となり、個人の経験や知識ではなく、理論に基づいて着実に資産を増やすようなイメージなのですね。イメージとしては「予測を立てて、がっつり狙いにいく」みたいなイメージだったんですが、AIを活用して資産運用をするときは「より長く安定して、最終的にプラスにしていく」というところがポイントなのですね。

そうですね。投資はどうしても「なるべく高く売る」という考えになりやすいですが、逆に損をしてしまうリスクもあります。
こうした無茶をするより、世界経済はどんどん伸びていっているので、それになるべく効率よく乗っかるほうが良いです。
全体が増えていくところにみんなで投資することで、世界のいろんな人たちが頑張ってビジネスをします。するとどんどん経済が活性化されて利益が生まれますので、その利益をみんなで分け合いましょうという、非常に平和なモデルです。
なるべく高いリターンを取ろうとすると、人から利益を奪い取るような感じになるのですね。「誰かが得をすると、誰かが損をする」という世界です。
そういう世界ではなくて、全体が増えていくところにうまく乗っかり、みんなで利益を分け合うほうが、安定すると思っています。

確かに自分の欲を抑えながら投資するのは、すごく難しいですよね。

人間はやっぱり欲や「損したくない」という気持ちから、合理的な判断をできないことがあります。これは行動経済学という学問分野で説明されていて、「人間の行動は必ずしも合理的じゃないですよ」ということがあります。人間の脳はバイアス(偏見)がかかってしまうので、客観的な理論に基づいて投資するほうが、安定して増やすにはいいんじゃないかと思います。

客観的な理論に基づいての投資が実現できるのが、WealthNavi(ウェルスナビ)なんですね。

そうです。普通の方はなるべく資産運用を、あまり意識しないほうがいいと思っています。
たとえば風邪を引いたら、風邪のウイルスについて勉強するかと言うと、しないですよね。

はい、しないです。

お医者さん、つまり専門の方に診てもらうはずです。
資産運用に関しても、専門家に任せるほうがメリットが大きいと私は思っています。であれば我々の資産運用サービスをお使いいただいて、ご自身は資産運用に時間をかけるのではなく、本業やご家族、趣味の時間に使っていただくほうが良いと思っています。人お金だけではなく、人生トータルでの幸せを考えても、これがベストの形だと思っています。

ロボアドバイザーが頼もしい存在に感じてきました!

「長期・積立・分散」という投資手法の普及につとめたい

牛山さんも、吉江さんも、クオンツという肩書をお持ちですが、どんなお仕事なのでしょうか?

データに基づいて投資の判断をするような、「科学的なアプローチを投資に対してする人」という仕事ですね。
クオンツや金融工学ができる前は、たとえば株ならベテランの方が経験やチャート、勘などを頼りに、どの銘柄が上がるかを予測するような感じでした。ただ、これだと当たれば良いのですが、外れると損をしますよね。それなら確率や統計を考えて理論的に考えるほうが、より安定してリターンを取れるんじゃないかということでクオンツの出番があるわけです。

クオンツもAIや過去のデータを使って、将来を予測することもある程度やっています。ただ、予測に基づくと、逆にリスクとなる場合があります。そこで我々は、1950年にハリー・マーコウィッツさんという方が始められてノーベル賞にもつながった理論である「現代ポートフォリオ理論」に基づいて仕事をしています。これは金融工学でもスタンダードな理論です。

科学的なアプローチの根幹は、ノーベル賞理論がベースなんですね。

科学的なアプローチを入れていくというところが、WealthNavi(ウェルスナビ)のサービスとして一貫しているところかな、と後から入った人間からすると思いますね。

吉江さんは、ウェルスナビさんのサービスがある程度できあがった頃に入社されたのですか?

はい、そうでです。私は大学を卒業してからずっと、資産運用の世界にいたんですね。ファンドマネージャーやプライベートバンクのインベストメントアドバイザー(投資のアドバイスする担当者)をしていました。

この勉強をしたり、実務をこなしたりする中で、世界中の誰でもできる、「長期・積立・分散」という非常にオーソドックスな投資手法があるのに、こと日本ではあまり普及していないのが不思議だったんです。

「そのサービスを新しく立ち上げて、真剣にやっている会社がある」というのを見つけて、飛び込みました。

最初に話をしたのが牛山なんですが、まだサービスも始まってないのに野村證券からウェルスナビに飛び込んだという先ほどの話を、私も聞いて共感しまして。

私は海外の資産運用を見る機会が多かったですし、個人的にも好きでした。ロンドンの担当者からずっと「通貨選択型とか、毎月分配型とか、どうしてそんなものが日本では流行るんだ?どうして普通の投資をしないの?」と言われまして、「確かにそうだな」と思ったのが正直なところです。

日本と世界の資産運用の考え方や方法にギャップを感じられたんですね。

その経験があるので、お客様にとってベストな資産運用は何か、投資を身近に感じ、わかりやすいサービスとはどんなものか?を常に考えることができています。同時に、「長期・積立・分散」という世界で普及している資産運用法について、ニュースレターという形で毎週、情報を配信したり、私たちのリサーチ&クオンツがメインでウェブサイトのコラムを作ったりしています。セミナーも今後増やしていきたいですね。

ロボアドバイザーは初心者にもピッタリ。年に1回くらいのチェックで十分

ロボアドバイザーを身近に感じたところで、初心者向けのポートフォリオみたいなものをオススメしていただけますでしょうか?また、御社ではリスク許容度で1、2、3、4、5と分かれているので、月によってポートフォリオも変わってくるという感じなのでしょうか。

私たちは基本的に、ポートフォリオの構成をなるべく変えないようにしています。アクティブ運用という考え方で、マーケットを見ながら将来を予測して高いリターンを目指すなら、ポートフォリオを毎月変えるのも良いと思います。

ただ、アクティブ運用は実際のところ、予測せずに運用していくパッシブ運用(インデックスファンド)に勝ちにくいです。研究でもこうした結果が出ていて、利益も出ないのに組み替えるということはなるべくせず、理想的なポートフォリオを1年に1回、微調整します。

あとは、マーケットの上げ下げですね。ポートフォリオのバランスが崩れてきたときにリバランスという形で、バランスを調整しながら運用するというのが、長期的に見て一番いい方法だと思います。

やはり、1年に1回くらいの見直しで十分なのですね。

そうですね。20年や30年まったくポートフォリオを変えないと放置しすぎなので、世の中の変化に合わせて年に1回くらいは微調整が必要です。

あとは投資家の方も、20年、30年という長い目線で運用を続けるのが何よりも大事だと思っています。私たちはアプリ上で続けやすい工夫をして情報発信含めてやっていきたいと思っています。ぜひ長い目で「資産運用のパートナー」として、我々を選んでいただけると嬉しいなと思います。

柴山社長は、ご自身の運用実績をネット上で公開されていらっしゃいますよね。初心者の人にとっては、良き伴走になるサービスだと思います。

WealthNavi公式HP「CEO柴山のウェルスナビでの運用実績」より

ありがとうございます。全世界に公開中です(笑)。

このように好調のときは不安にならないのですが、マーケットが調子悪いときは、どのように調整されるのでしょうか?

例えば、リスク許容度5の場合、最適なポートフォリオ、資産の配分、組み合わせがあります。足りない部分は積立のたびに補っていくという感じですね。

たとえば毎月3万円投資するときに、このお金を機械的に割り振るのではなく、足りないところに入れていくようなイメージです。

「買う銘柄が毎月変わる」というところがアルゴリズムでできていまして、リスク許容度によって決まった、米国株は30%、新興国何%という割合へ近づけるように、入金されたお金が配分される、というふうに考えていただければと。

その仕組みについて書いたコラムがちょうどホームページで公開したところなので、参考にしてみてください。

WealthNavi公式HP『コラム:「自動積立」のメリットは?』より

これは初心者ではできないので、残高1%の年間手数料を払う価値があると思いました。

ありがとうございます。本当に投資するときは、決めないといけないことがたくさんありまして。そこを私たちは、普通の方ではできないようなレベルでキッチリ計算しています。

積立をされていない方でも、リバランスは最低半年に1回するようになっています。積立をしてなくても、私どもはお客さまの口座と資産を、きちんと見守っています。

御社はロボアドバイザーのサービスですけど、人を雇っているような感覚ですよね。投資信託は「投資の専門家・アドバイザーを雇うようなもの」と言われますが、本当、この感覚に近いと思います。

ありがとうございます。もともと金融機関は「この投資信託を買ってください」と言って、売って手数料をいただいたら終わり、という感じがあったかもしれません。

我々は、投資信託を持っていただいたところがスタートで、「そこから20年、30年一緒にお付き合いいただく」という考え方です。なので我々は取引ごとに手数料をいただくのではなく、年間で預かり資産の1%という形にしています。

長期間お付き合いいただくことを前提にしていて、お金が増えればお客さまも我々も嬉しいので、インセンティブの方向がお客さまと我々で合っているのですね。

既存の金融ビジネスとはフィー体系も違いますので、「なるべく続けていただく」とか「きちんと利益を取っていただく」というところまで、我々の責任と思っています。

投資への不安は誰しもあるもの。深く考えすぎず、まずは始めてみるべき

投資って、始めてしまえば前に進んだり続けたりしやすいと思うんですが、最初の一歩を踏み出せない方は多いですよね。こうした方に対して、何かメッセージやアドバイスはありますか?

たとえば投資を今日するか、1カ月後にするかというのは、20年や30年という長期で見ると誤差の範囲なんですね。始めるのが遅れることで長期のリターンを取り損ねるとすごくもったいないので、とにかく何も考えずにスタートするのが良いと思います。

ただ、投資を怖いと思うなら、まずは少額から始めていただくのが良いですね。始めてしまえば、あとは積み立てていることを良い意味で忘れてしまいがちなので(笑)

そうそう、忘れるんですよね。

人間、誰しも忘れるものです。プロでも将来は正確に予想できないので、普通の方が将来を当てるというのは考えないほうが上手くいきます。20年、30年後なら上がる可能性のほうが高いので、そこを信じてやっていきましょうと。頭で理解せず、心で理解することですね。

頭で考えると、どうしてもブレーキをかけやすいですもんね。

私たちも投資へのハードルを下げるために、おつりを投資できる「マメタス」というサービスを作っています。

おつりって、自分のお財布から1度出したお金ですよね。おつりを受け取ったとき、自分のお金じゃないような感覚が半分あったりします。これを投資に回していただくことで、少しずつ投資に慣れていただければと思っています。今後も投資へのハードルを下げる工夫は、いろいろ考えないといけないですね。

今後、つみたてNISAへの導入はあるのでしょうか?

私たちも税制優遇は魅力的と考えています。つみたてNISAの制度が設計されている段階では、ロボアドのようなサービスが想定されていなかったと思います。制度は今後も改正される可能性があり、そのときにチャンスはあると考えています。

何らかの形で税制のメリットが受けられるようなサービスを私たちも考えていきたいと思っています。

弊社には、昔ゲームを作っていたエンジニアがたくさんいまして。

ゲームって、操作性が悪かったら誰も遊ばないですよね。ゲームの制作経験のある人間が作ったサービスなので、弊社のサービスも初心者でも使い勝手が良いようにできています。つみたてNISAでも、「誰でも使える」という強みを活かせると良いなと思っています。

じゃあ数年後くらいには、毎日みんながスマホでウェルスナビさんの状況を見て、「おおっ」となっているかもしれませんね(笑)

そうですね(笑)毎日見なくても、ほったらかしでいいですけどね。

柴山が掲げる「預かり資産1兆円」という目標を、まずは1つのマイルストーンに置いています。今(2019年6月)1400億円なのでまだ少し遠いですが、1兆円が「世の中に広く知られている」というレベルかなと思います。

ウェルスナビさんは確固としたポリシーを持ってサービスを運営されていて、本当にこれからも多くの方に広まっていきそうですね。

本日はお忙しい中お時間をいただき、本当にありがとうございました!

自分で銘柄が選べない、または、つみたてNISAの非課税枠を超えて資産運用したい方にはウェルスナビ

このサイトは「つみたてnisaで資産形成する」ために必要な知識を解説しています。日本にある6,000本超の投資信託から約160本に厳選されることにより、自分に合った銘柄選択をして投資をしてもらいたいものです。

しかし、はり銘柄は選べない、でも積立投資をしたいという方が活用できるのがロボアドバイザーであるウェルスナビのサービスです。

インタビューをさせていただいて一番強く感じたのは「一般の方が安心して、着実に資産形成できるサービスを作りたい」という情熱です。

手数料は預かり資産の「1%」かかりますが、スマホで始められて、カンタンな質問に答えるだけで自分にベストなポートフォリオ(資産の配分)を提案してもらうことができます

積立は月1万円から設定できますので、予算に合わせて、将来に向けた資産形成を始めるキッカケとしてください。

または、つみたてNISAの非課税限度額である月33,333円(年40万円を12カ月で割った金額)以上、積立投資をする余裕資金がある場合は、追加の資産運用として活用してみてくださいね。

これから始める方で、マイルを貯めている方は、「WealthNavi for ANA」または「WealthNavi for JAL」を利用してみてください。

WealthNavi公式HP「WealthNavi for ANA」より

WealthNavi公式HP「WealthNavi for JAL」より

つみたてNISAを始めるためにオススメの証券会社

当サイトオススメの証券会社は次の2つ!
実は街中の銀行などは、つみたてNISAの商品があまり充実していません。この理由は「販売することで、銀行の得られる利益が少ないため」です。
つみたてNISAの商品ラインナップが充実しているのは、圧倒的に「ネット証券」。その中でも次に紹介する2つは、約160本あるつみたてNISA対象商品を7~9割カバーしています。参考にして、証券会社を決めてくださいね。

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取扱い商品数 179本
積立金額 最低:100円
最高:33,333円
積立頻度 積立方法:毎日・毎月
金額調整:毎月・ボーナス設定・増額の設定
引落し方法 銀行口座・証券口座・楽天カード
ポイント付与 あり。年間約4,000ポイント
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取扱い商品数 176本
積立金額 最低:100円
最高:33,333円
積立頻度 積立方法:毎日・毎週・毎月
金額調整:毎月・ボーナス設定・NISA枠ぎりぎり注文
引落し方法 銀行口座・証券口座
ポイント付与 あり。年間108ポイント
→毎月の積立額が33,333円で0.05%付与のファンドを購入した1年目の場合

SBI証券はつみたてNISAの商品数のラインナップは業界ナンバーワンで、全商品のうち約90%をカバー。楽天証券と取り扱い数は同数です。
また、積立方法を「毎日」「毎週」「毎月」と細かく設定できるほか、ネット証券にもかかわらず「実店舗」があります。気になることがあればスタッフに直接相談できます。
業界ではSBI証券・楽天証券・マネックス証券を合わせて「3大ネット証券」と呼びますが、SBI証券はこの中でも口座開設者数がトップで、初心者にもオススメです!

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