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つみたてNISA「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を解説!

「eMAXIS Slim 全世界株式インデックス(オール・カントリー)」は、1本だけで世界中の株式に分散投資をしたい方にオススメする商品です。

このファンドは世界株式市場の動きを表す指数であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動しており、低コスト(信託報酬が低い)で純資産総額が大きいため、初心者でも安心して積立投資を始めることができます。

オススメ5位の「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」との違いは、日本を含んでいることです。そして、カテゴリー内のMSCI ACWI Indexという指数に連動するインデックスファンドと比べると、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」と同じく最も低コストとなっています。

以下が、2019年3月19日現在の「指定インデックスファンド・株式のみ・海外型」カテゴリーで、全世界のインデックス指数の1つである「MSCI ACWI Index」を信託報酬の低い順に並べた一覧表です。

連動対象 ファンド名 総資産額(億円) 設定年月日 信託報酬等(税込み・%)
1 MSCI ACWI Index eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 52 2018.3.19 0.15336
1 MSCI ACWI Index eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 28 2018.10.31 0.15336
2 MSCI ACWI Index 野村つみたて外国株投信 71 2017.10.2 0.2052
3 MSCI ACWI Index 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド 139 2011.4.18 0.27
4 MSCI ACWI Index 全世界株式インデックス・ファンド 10 2017.9.8 0.5184
5 MSCI ACWI Index eMAXIS 全世界株式インデックス 85 2010.7.20 0.648

インデックスファンドの場合、コストの差が運用成績に直結するため、低コストな銘柄を選ぶと初心者でもお金を増やしやすいです。

ここではeMAXIS Slim 全世界株式インデックス(オール・カントリー)について、詳しく解説します。参考にして、積立投資をするかどうかを検討してみてくださいね!

Contents

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の商品概要

商品名 eMAXIS Slim 全世界株式
運用会社 三菱UFJ国際投信株式会社
カテゴリー 指定インデックスファンド「株式のみ」+「海外」型
運用スタイル インデックスファンド
設定年月日 2018年10月31日
信託報酬 0.15336%(税込)

商品の解説(参照:目論見書)

【商品分類】
投資対象地域:海外
投資対象資産:株式

【ファンドの特色】
1. MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用を行います。
2. 主として、対象インデックスに採用されている日本を除く先進国ならびに新興国の株式等(DR(預託証書)を含みます。)への投資を行います。
3.原則として、為替ヘッジは行いません。

<MSCI ACWI の銘柄数・国別構成>
(参照:MSCIドキュメント 2019年3月29日)

●銘柄数:2,771 上位5位

1 アップル 2.00%
2 マイクロソフト 1.90%
3 アマゾン 1.64%
4 フェイスブック 0.89%
5 ジョンソン&ジョンソン 0.83%

●国別構成 上位5位

1 アメリカ 55.05%
2 日本 7.23%
3 イギリス 5.15%
4 中国 3.78%
5 フランス 3.4%

運用実績(参照:月次レポート 2019年3月末現在)

出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 月次レポート(2019年3月)より引用

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のかづな先生的解説

eMAXIS Slim 全世界株式は、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」の指数に連動するインデックスファンドです。

このファンドを購入すると、先進国23カ国と新興国24カ国の大型株・中型株の約2,700銘柄に投資することができます。アップル・マイクロソフト・アマゾンだけでなく、中国のテンセントやアリババなど、世界的に有名な企業の株を買うことができるのです。

2018年10月に設定されたファンドですが、2010年7月に設定されたeMAXIS全世界株式とほぼ同じ投資先で、日本も含まれています。

三菱UFJ国際投信はeMAXIS(イーマクシス)シリーズを販売していますが、「機動的に信託報酬を引き下げ、業界最低水準を目指す」としてeMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズを新たに追加したため、このように投資先が同じなのに、コストが異なるファンドが並列しているのです。

後発ファンドのほうが信託報酬は低い設定となり、長期投資では良い成果を生む傾向にあります。新規設定ファンドの「運用実績がない」というデメリットは、既存ファンドの実績でカバーできるのです。

既存ファンドもSlimもMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動するインデックスファンドであり、日本を含む先進国23カ国と新興国24カ国の大型株・中型株の約2,700社の企業株式に投資しています。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)自体の運用実績は1年未満のためあまり確認できませんが、同シリーズで運用実績を確認することができます。

つみたてNISA対象商品のこのサイトでのチェックポイントを基準とした評価で2商品を比較すると、以下の表になります。

チェック項目 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 評価 eMAXIS 全世界株式 評価
総資産額が50億円以上かどうか 28億円 85億円
設定年から3~5年の運用実績があるか 1年未満
(設立日2018年10月3日)
8年の実績あり
(設立日2010年7月20日)
信託報酬が低いか 低い。年率0.15336%
→告示0.75%・平均0.33%
普通。年率0.648%
→告示0.75%・平均0.33%
トータルリターンが良いか 1年:- 1年:6.90%
3年:9.56%

ファンドに組み入れられる銘柄や国はずっと同じというわけではなく、時代に応じて変わりますが、2019年3月時点、月次レポートを参考にして作成した「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」の国・地域別組入比率は以下です。

このファンドでつみたてNISAをすることで、あなたのお金の8割を先進国株式に、1割を新興国株式、1割弱を日本に投資することが分かります。

つみたてNISAの対象商品は約160本ありますが、大きく9つのカテゴリーに分かれています。eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)はその中で最もオススメな「指定インデックスファンド・株式のみ・海外型カテゴリー」のファンドです。

このカテゴリーの中にもさまざまな商品がありますが、この商品を取り上げたかというと、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動しており、信託報酬(投資信託を保有するときにかかるコスト)が低いため」です。

このメリットについて、詳しく解説します。

オススメ5位の「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」と悩んだ場合、日本を含むか、含まないかで選んでいきましょう。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動している

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)は、「日本を含む先進国と新興国の株式市場の値動きを表す指数」です。

先進国を中心とした世界経済の拡大や、円安の進行による為替差益を期待するなら、先進国株式ファンドは外せません。

また、先進国株式ファンドはアクティブファンドがインデックスファンドに勝ちにくいカテゴリーの1つともいわれています。

世界の時価総額ランキングにおいて、10位中8位は米国の企業です。Uber(ウーバー)やAirbnb(エアビーアンドビー)など、新しい技術やサービスを生み出している企業も米国が中心です。

つまり、アメリカを中心とした先進国に投資をすることは必然的に、「世界経済拡大による恩恵」を得ることを意味します。ファンドマネージャーの運用能力ではなく、相場環境の良さで十分に好成績を出すことができるのです。

しかし、先進国株式のみだと、これから経済が活性化していくと予測される新興国への投資を見逃すことになります。世界の時価総額ランキングにおいて、10位中8位は米国の企業ですが、残りの2企業は中国出資の企業なのです。

そのため、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)にすることで、1割強の部分で新興国株式を、1割弱で日本株式を取り入れることができるのです。

信託報酬が同カテゴリーでMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する指数で最も低い

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の信託報酬(投資信託を保有するときにかかるコスト)はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するファンドの中で、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」と同じく最も低いです。

「指定インデックスファンド・株式のみ・海外型」カテゴリーで、全世界に連動している商品は8本です。その中でオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するファンドは6本あり、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の信託報酬は、もっとも低い0.15336%です。

つみたてNISAは最長20年の長期投資をするため、コストの低いファンドを選ぶと有利になります。信託報酬は小さな額に思えるかもしれませんが、20年という長期で見ると大きなコストなのです。

先進国と新興国の株式に分散投資でき、リターンが安定しやすい

新興国は将来的に大きな経済成長を見込めるため、大きなリターンを期待できます。そのため新興国株式のみで運用したくなるかもしれませんが、偏った運用はリスクも大きくなります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は投資対象を特定地域に偏らせず、世界中の企業株式へ投資することができます。そのため安定的な運用をすることができます。

以下はMSCI指標を作ったキャピタル・インターナショナル社が公表した、過去10年と過去20年における「主要資産のリスク・リターン比較」です。


上のグラフで先進国株式と新興国株式を比べると、横軸の「リスク」は過去10年・過去20年共に同じくらいの数値となっています。しかし縦軸の「リターン」を見てみると、先進国は過去10年・過去20年共に6%ほどのリターンであるのに対して、新興国は過去10年では2%ほど、過去20年では8%に近いリターンとなっています。

つまり新興国は先進国よりリターンの振れ幅が大きく、不安定になりやすいことが分かります。これから積立投資を始めるなら、新興国の割合を少なくした「先進国+新興国」の形で投資できるファンドが向い。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のデメリット

先進国株式と新興国株式の割合を変えられない

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは前述のように先進国の9割弱を占めており、新興国は1割強です。

つみたてNISAは最長20年の運用になるため、新興国における人口が先進国よりも増え、大きな経済成長を遂げる可能性はあります。

前述の「世界の企業の時価総額ランキング」では、9位と10位に急成長している中国のIT企業である「テンセント」と「アリババ」が入っています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)には新興国は組み入れられているものの、その割合を上げたりすることはできません。

長期投資において、自分で先進国と新興国の割合を調整しながら投資をしたいという方は、1本でまるごと全世界株式を買う形式はデメリットとなります。

まとめ

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は先進国を中心に投資をおこない、新興国も日本もカバーしたバランスのとれたファンドで積立投資をしたい方にオススメの商品です。

オススメ2位の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と3位の「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」を自動的に組み合わせてほしい方はこちらを検討して下さい。

また、オススメ5位との差は日本を含むか、含まない、かです。ポートフォリオを組むのに悩んでいる時間があれば、日本を含んだ「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、つみたてNISAを始めましょう!

ところで、つみたてNISAって、どうやって始めたらいんですか?

つみたてNISAを始めるには、証券会社で「つみたてNISA専用口座」を作る必要があるの。

つみたてNISA専用口座を作ったら購入するファンドをスマホのマイページで決めて、自分にムリのない金額を設定して積み立てるっていう流れ。

私がすすめるネット証券では月100円から積立て投資が可能だけど、将来のための資産形成を目指すのであれば、5,000円や1万円くらいからスタートしてもらいたいわ。

スマホでできるんですね!投資がさらに身近になった気がします。証券会社はどこがいいんですか?

オススメの証券会社は別ページで紹介してます。口座開設の完了までには2週間くらいかかるから、それまではこのサイトで勉強してみてね。

つみたてNISAを始めるためにオススメの証券会社

当サイトオススメの証券会社は次の2つ!

実は街中の銀行などは、つみたてNISAの商品があまり充実していません。この理由は「販売することで、銀行の得られる利益が少ないため」です。

つみたてNISAの商品ラインナップが充実しているのは、圧倒的に「ネット証券」。その中でも次に紹介する2つは、約160本あるつみたてNISA対象商品を7~9割カバーしています。参考にして、証券会社を決めてくださいね。

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最高:33,333円
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金額調整:毎月・ボーナス設定・増額の設定
引落し方法 銀行口座・証券口座・楽天カード
ポイント付与 あり。年間約4,000ポイント
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楽天証券は商品数のラインナップは業界ナンバーワンで、全商品のうち約90%をカバー。SBI証券と取り扱い数は同数です。

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2位:国内株式個人取引シェアNo.1!細かな設定もできる「SBI証券」

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金額調整:毎月・ボーナス設定・NISA枠ぎりぎり注文
引落し方法 銀行口座・証券口座
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→毎月の積立額が33,333円で0.05%付与のファンドを購入した1年目の場合

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業界ではSBI証券・楽天証券・マネックス証券を合わせて「3大ネット証券」と呼びますが、SBI証券はこの中でも口座開設者数がトップで、初心者にもオススメです!

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